【雑記】和声とはなんぞや①
どうもこんばんは!
音楽理論には大きく分けてクラシックとポピュラーという区分けがされますが、クラシック音楽における理論の中核をなすのが「和声理論」です。
ポピュラー音楽をやっている人からすると、たぶんあまり聞きなじみがない言葉だと思います。ポピュラーの音楽理論では「コード進行」が一番最初に聞くワードなのかなと。
で、今回は「和声理論」とはなんぞや?的な話をしようかと思います。
つまり「コード進行」とは違うの?的な
(まだ音楽はじめて間もない段階での理解ですので、間違った事言ってたらごめんなさいです。優しく教えてください。)
結論から超ざっくり言ってしまうと、「和声理論」とは「コード進行」+「対位法」だと考えれば割とサクっとイメージ出来るかと思います。
「対位法」…?
そう思われる方もいるかと思いますので、ゆっくり説明しますね。
「和声理論」や「対位法」には多くの禁則があり、ちょっとかじった方からそれをよく「古い」とか「実践的でない」とか言われてしまう事がありますが、そんな事は全くありません。
なのですが、
数多くの理論書には理論の目的を書いていない事が多く、ただ「この場合はこう」「この進行はだめ」みたいな記述が延々と記載されており、それだけを見ると誤解されてしまってもおかしくないかなー?と思ったりします。
(まぁ基本的に和声を独学でやるケースは稀であり、師匠からの口伝により教わるのかなと思います。あくまで本はレジュメみたいなものでしょうか。)
ではコード進行と対位法とはなんでしょうか?
コード進行:
①音の重ね合わせ方(コードの作り方)
②異なるコードの繋ぎ方(進行)。
対位法:
異なる2つの旋律が独立しながらもお互いに絡みあうための方法。
それぞれ詳細に記載してしまうととてもとてもブログで読む分量では無くなってしまうので割愛するとして、今回はコード進行の①「音の重ね合わせ方」についてたらたら述べてみようと思います。
まずコード進行の「音の重ね合わせ方」ですが、大きく分けて2種類の方法があります。
- 3度堆積(3度ずつ積む)
- 4度堆積(4度ずつ積む)
いきなりわからない言葉が出てきたって?大丈夫です。
音度の数え方
基準の音。例えばここでド(C)を基準に数えはじめた場合、
レ(D)は2度、ミ(E)は3度…という風に数えていき、8度でオクターブ上の音になります。
これは7音音階上であれば、どんな旋法であっても同様の数え方をします。
正確には、間に半音が2つなのか3つなのかで短2度、長2度…のような数え分けはあるのですが、ここでは省略します。
3度堆積和音とは?
その名のとおり、基準の音(根音、ルート音、略称:Rとか書く)に対し、3度ずつ上方の音を重ねていった和音となります。
ここまで読んだ読者さんはきっと、「積み方はわかった。でもなんで3度で積むの?」と思われたかと思います。ここが重要です。
2つの音と音を重ねて鳴らした場合、波長が異なるため様々な響きになります。
その響きを1度、2度、3度…と鳴らしていった時に、
3度の響きが一番心地良い。。。
過去、こう思った方がいたのがきっかけだと思います。
実はこれら、1度、2度…などの響き具合の違いから、各音度関係に名前がつけられています。
完全協和音程(濁らず響く)
1度、8度、5度、4度
不完全協和音程(適度に濁って響く)
3度、6度
不協和音程(濁る)
2度、7度
これは波形と波形の振動数の比率が関係しています。
(※音というのは、空気(水や個体でも良いんだけど)の振動が耳の鼓膜を揺らす事で、「音」として認識されます。)
人間の耳(というか美的感覚)は、ある種整然としているものに美しさを感じるようにできており、それが3度(と6度)の心地よさになっています。
(まぁ、好みの問題なので、時代によって定義が変わってきましたが。世の中2度とか7度が美しいと感じる人もいるでしょう。あと、音域によっても…省略)
そういった理由で、3度堆積の和音がコード理論の最初に説明されるってわけなのでした。
4度堆積和音
じゃあ完全協和音程で積んでも綺麗に響くんじゃね?ってノリで作られたのが、4度堆積和音です。
なんで1度や8度、5度じゃダメなの?って思ったそこのあなた。
実際に鳴らしてみてください。協和し過ぎてとてもつまらない音になるでしょう。
(5度はパワーコードと呼ばれており、8度はオクターブ奏法。1度は指が痛いことになります。)
しかし不思議。4度はなんとなく濁るのです。
しかも完全協和音程なのでケンカしない。
西洋の古くからの理論では4度の和音は不協和音認定されていたようですけどね。
4度の響きはなんというか東洋的というか、中国のあれっぽいイメージですね。
(4度堆積の和音は展開(積む音をオクターブ上下にして並びを変えること)すると、sus4コードになったりします。
そして4度で5つ積んだ音を展開するとヨナ抜き音階(ペンタトニック)にもなります。
ペンタトニックスケールがソロでよく使われるのは、つまり完全協和音程の展開を使っているため、他の音とケンカしにくいからなのです。)
と、まぁここまで音の積み方について簡単に述べてきましたが、
音楽理論というのはちゃんと理論と感覚の裏付けをもとに、「こうやって重ねたら綺麗になるんじゃないか」ってく試行錯誤にて生まれたものであり、理論の成り立ちを考えたり推測する事で、より深みのある音楽を追及していくことができます。
例えば上記の不完全協和音程という概念が生まれた当時、1オクターブ上の各音度の音はわずかに現在と異なりました。いわゆるチューニングというやつですが、当時は「純正律」というものを使っていたんですね。
純正律とは理論的に波形の比率が整数倍となり、とても綺麗に響く音でチューニングされた音階です。
現在使われている平均律とは、1オクターブを均等に12の音で割った音が使われており、若干誤差が生まれることで純正律の不完全協和音程よりも濁った音がします。
(ただし平均割りにしているため、転調が可能になりました。)
このように時代と共に当時の理論が生まれた背景と異なってしまっていると、理論だけで説明できない事象が発生したりするのですが、それを安易に感覚でカバーするのではなく、理論が本来どういった目的と仮説で成り立っていたのか振り返る事で、現代でも応用していくことができるでしょう。
と、今回は長くなってしまったのでここまで。
音楽理論に興味をもっていただけたら幸いです。
そんなこんな