【雑記】和声とはなんぞや②
どうも前回からだいぶ間が空いてしまいました。
なんていうかダルくなってしまったというのは内緒です。
前回は和声理論とは何か?
そのイメージとして、「コード進行」+「対位法」であると概略説明しました。
コード進行:
①音の重ね合わせ方(コードの作り方)
②異なるコードの繋ぎ方(進行)。
対位法:
異なる2つの旋律が独立しながらもお互いに絡みあうための方法。
前回はコード進行の①:「音の重ね合わせ方」について説明しましたので、今回は②:「異なるコードの繋ぎ方(進行)」について書いていきたいと思います。
結論を言います。
ルールはありません。
はい、以上です。
と言ってしまうとちょっとあれなので、今日は惰性でたらたらと書いていきたいと思います。
コードを繋ぐコツというのはざっくり言うと以下の通りです。
・音階の自然な動きに即したもの
・隣合うコード
音階の自然な動き?!と思われた方、良い質問ですね。
はい。音階の自然な動きです。
まず「音階」とは何かというと、「1オクターブ内の音から使う音を選んで並べたもの」の事を言います。
代表的な長音階…ドレミファソラシド
代表的な短音階…ドレミ♭ファソラ♭シ♭ド
これらは共にド~オクターブ上のドの間にある12個の音から7つ選んだものです。
ド、レ♭、レ、ミ♭、ミ、ファ、ソ♭、ソ、ラ♭、ラ、シ♭、シ
(ド、ド#、レ、レ#、ミ、ファ、ファ#、ソ、ソ#、ラ、ラ#、シ)
ここでは短音階についての説明を割愛します。
なぜかというと、いろんな理由でめんどくさいからです。
ドレミファソラシド
これを実際に鍵盤で弾いてみましょう。どう感じるでしょうか?
え?特になんとも思わない?まぁそうかもしれない。
じゃあこれを実際に歌ってみましょう。それもゆっくり。
その際に意識して頂きたいのが、声を発するエネルギーの変化です。
ド⇒レ⇒ミ⇒ファ⇒ソ⇒ラ⇒シ⇒ド
と、音が上がっていくに連れて、声を発するためのエネルギーが必要になっていくことに気づくのではないでしょうか?
これは音の周波数が上昇していることに理由があります。
音の周波数とはつまり、空気をどれだけ速く振動させるか?という事です。
周波数を高くするには、1秒間あたりに振動させる回数を増やす必要があります。
これがエネルギーの増加の正体です。
次に、「ドレミファ」と「ソラシド」の2つに区切って歌ってみましょう。
まず、
ド⇒レ⇒ミ⇒ファ
どうでしょうか。ミ⇒ファのところでちょっと苦しいというか、重くなる感じがしませんでしたか?
これは皆さんご存知のとおり、ド⇒レ、レ⇒ミが全音(半音2つ分)の変化であるのに対し、ミ⇒ファは半音の関係にあるからです。
ド⇒レ⇒ミ…と軽やかに1段飛ばしで進んできたのが、ミ⇒ファにいくところで1段しか進まないことで、重さや苦しさを感じさせています。
なお、ドとファは完全4度の関係にあり、これは協和音程です。
ドから始まった音列がファを迎えることで、ちょうど4拍の区切り目であることから、「一区切り」を感じさせます。
その一区切りを迎えるタイミングで歩幅が小さくなると、非常に強い休みに感じるわけですね。
いったんこの感触を覚えて頂いて、次にいきましょう。
次は
ソ⇒ラ⇒シ⇒ドです。
はい。これも同様の音程関係となっています。
ソ⇒ドは完全4度の協和音程であり、ソ⇒ラ、ラ⇒シが全音関係であるのに対して、シ⇒ドは半音関係となります。
つまり、「ドレミファ」「ソラシド」は非常に類似した音の塊であることがわかると思います。
ではドレミファソラシドを繋げて歌うとどう感じるのでしょうか?
そこでちょっと意識したいのが主音である「ド」です。
ドレミファソラシドの「歌い始めの音」と、「歌い終わりの音」。
これが主音です。
この歌い始めたドから最後のドに繋げて歌った場合、最後のドの音に非常に強い帰着感がないでしょうか?
これはシ⇒ドの音程関係と、ソ⇒ドの音程関係、そしてド⇒ドの回帰。
この3つの要素が強い帰着感を生んでいます。
そうした時に、ドレミファソラシドの音はただ並んでいるわけではなく、それぞれに役目がある事がわかります。
ド…主音
(ファ…下属音)
ソ…属音
シ…導音
試しにド⇒ソ⇒シ⇒ドと歌ってみましょう。
ドレミファソラシドを要約したような感じを受けたのではないでしょうか?
つまり、ドレミファソラシドの屋台骨のような役割をしているのです。
そこにファを加えるとより強固な印象となります。
ド⇒ファ⇒ソ⇒シ⇒ド
長くなりましたが、これが
「音階の自然な動きに即したもの」のヒントとなります。
じゃあ、この音の上にあるコードも、この順番に繋いだら強い屋台骨のような響きの流れになるのでは?という発想が登場しました。
これがコードの機能と呼ばれるものです。
いわゆるT⇒S⇒D⇒Tみたいに言われてるやつですね。
ドの上の3和音:ドミソをT(主和音)
ソの上の3和音:ソシレをD(属和音)
ファの上の3和音:ファラドをS(下属和音)
と機能を定義しました。
え?シは?と思ったかと思いますが、これはDのソシレに含まれております。
(シレファもDに近い響きですが。。)
試しにドミソ⇒ファラド⇒ソシレ⇒ドミソと弾いてみましょう。
ドレミファソラシドを感じさせる、とてもまとまり感のある響きの流れになったと思います。
これがコード進行の1つの基礎として扱われる理由なのでした。
次。
・隣合うコード
これはなんていうか説明が難しいのですが、隣のコードならなんでもつながります。
実際弾いてみると、別に違和感を感じないと思います。
例えばカノン進行とか呼ばれるやつが代表的なやつですね。
これは音の流れが順番に流れていくので、「単に耳にとってわかりやすい」事が理由だと思います。
で、実は超作曲初心者の方はこの隣り合うコードを使って上にメロディを乗っけていく方法の方が小難しい事もなく、難なくあっさり曲が作れるかと思いますので、興味ある方はお試しあれ。
そしてこれはなぜか短調の方が簡単に曲っぽくなります。
なお短調の場合にはちょっとしたコツがあるのでまた別の機会に説明しますね。
今日は長くなってしまったのでそんなこんな。
次は対位法について説明してみたいと思います。
ではでは
【雑記】和声とはなんぞや①
どうもこんばんは!
音楽理論には大きく分けてクラシックとポピュラーという区分けがされますが、クラシック音楽における理論の中核をなすのが「和声理論」です。
ポピュラー音楽をやっている人からすると、たぶんあまり聞きなじみがない言葉だと思います。ポピュラーの音楽理論では「コード進行」が一番最初に聞くワードなのかなと。
で、今回は「和声理論」とはなんぞや?的な話をしようかと思います。
つまり「コード進行」とは違うの?的な
(まだ音楽はじめて間もない段階での理解ですので、間違った事言ってたらごめんなさいです。優しく教えてください。)
結論から超ざっくり言ってしまうと、「和声理論」とは「コード進行」+「対位法」だと考えれば割とサクっとイメージ出来るかと思います。
「対位法」…?
そう思われる方もいるかと思いますので、ゆっくり説明しますね。
「和声理論」や「対位法」には多くの禁則があり、ちょっとかじった方からそれをよく「古い」とか「実践的でない」とか言われてしまう事がありますが、そんな事は全くありません。
なのですが、
数多くの理論書には理論の目的を書いていない事が多く、ただ「この場合はこう」「この進行はだめ」みたいな記述が延々と記載されており、それだけを見ると誤解されてしまってもおかしくないかなー?と思ったりします。
(まぁ基本的に和声を独学でやるケースは稀であり、師匠からの口伝により教わるのかなと思います。あくまで本はレジュメみたいなものでしょうか。)
ではコード進行と対位法とはなんでしょうか?
コード進行:
①音の重ね合わせ方(コードの作り方)
②異なるコードの繋ぎ方(進行)。
対位法:
異なる2つの旋律が独立しながらもお互いに絡みあうための方法。
それぞれ詳細に記載してしまうととてもとてもブログで読む分量では無くなってしまうので割愛するとして、今回はコード進行の①「音の重ね合わせ方」についてたらたら述べてみようと思います。
まずコード進行の「音の重ね合わせ方」ですが、大きく分けて2種類の方法があります。
- 3度堆積(3度ずつ積む)
- 4度堆積(4度ずつ積む)
いきなりわからない言葉が出てきたって?大丈夫です。
音度の数え方
基準の音。例えばここでド(C)を基準に数えはじめた場合、
レ(D)は2度、ミ(E)は3度…という風に数えていき、8度でオクターブ上の音になります。
これは7音音階上であれば、どんな旋法であっても同様の数え方をします。
正確には、間に半音が2つなのか3つなのかで短2度、長2度…のような数え分けはあるのですが、ここでは省略します。
3度堆積和音とは?
その名のとおり、基準の音(根音、ルート音、略称:Rとか書く)に対し、3度ずつ上方の音を重ねていった和音となります。
ここまで読んだ読者さんはきっと、「積み方はわかった。でもなんで3度で積むの?」と思われたかと思います。ここが重要です。
2つの音と音を重ねて鳴らした場合、波長が異なるため様々な響きになります。
その響きを1度、2度、3度…と鳴らしていった時に、
3度の響きが一番心地良い。。。
過去、こう思った方がいたのがきっかけだと思います。
実はこれら、1度、2度…などの響き具合の違いから、各音度関係に名前がつけられています。
完全協和音程(濁らず響く)
1度、8度、5度、4度
不完全協和音程(適度に濁って響く)
3度、6度
不協和音程(濁る)
2度、7度
これは波形と波形の振動数の比率が関係しています。
(※音というのは、空気(水や個体でも良いんだけど)の振動が耳の鼓膜を揺らす事で、「音」として認識されます。)
人間の耳(というか美的感覚)は、ある種整然としているものに美しさを感じるようにできており、それが3度(と6度)の心地よさになっています。
(まぁ、好みの問題なので、時代によって定義が変わってきましたが。世の中2度とか7度が美しいと感じる人もいるでしょう。あと、音域によっても…省略)
そういった理由で、3度堆積の和音がコード理論の最初に説明されるってわけなのでした。
4度堆積和音
じゃあ完全協和音程で積んでも綺麗に響くんじゃね?ってノリで作られたのが、4度堆積和音です。
なんで1度や8度、5度じゃダメなの?って思ったそこのあなた。
実際に鳴らしてみてください。協和し過ぎてとてもつまらない音になるでしょう。
(5度はパワーコードと呼ばれており、8度はオクターブ奏法。1度は指が痛いことになります。)
しかし不思議。4度はなんとなく濁るのです。
しかも完全協和音程なのでケンカしない。
西洋の古くからの理論では4度の和音は不協和音認定されていたようですけどね。
4度の響きはなんというか東洋的というか、中国のあれっぽいイメージですね。
(4度堆積の和音は展開(積む音をオクターブ上下にして並びを変えること)すると、sus4コードになったりします。
そして4度で5つ積んだ音を展開するとヨナ抜き音階(ペンタトニック)にもなります。
ペンタトニックスケールがソロでよく使われるのは、つまり完全協和音程の展開を使っているため、他の音とケンカしにくいからなのです。)
と、まぁここまで音の積み方について簡単に述べてきましたが、
音楽理論というのはちゃんと理論と感覚の裏付けをもとに、「こうやって重ねたら綺麗になるんじゃないか」ってく試行錯誤にて生まれたものであり、理論の成り立ちを考えたり推測する事で、より深みのある音楽を追及していくことができます。
例えば上記の不完全協和音程という概念が生まれた当時、1オクターブ上の各音度の音はわずかに現在と異なりました。いわゆるチューニングというやつですが、当時は「純正律」というものを使っていたんですね。
純正律とは理論的に波形の比率が整数倍となり、とても綺麗に響く音でチューニングされた音階です。
現在使われている平均律とは、1オクターブを均等に12の音で割った音が使われており、若干誤差が生まれることで純正律の不完全協和音程よりも濁った音がします。
(ただし平均割りにしているため、転調が可能になりました。)
このように時代と共に当時の理論が生まれた背景と異なってしまっていると、理論だけで説明できない事象が発生したりするのですが、それを安易に感覚でカバーするのではなく、理論が本来どういった目的と仮説で成り立っていたのか振り返る事で、現代でも応用していくことができるでしょう。
と、今回は長くなってしまったのでここまで。
音楽理論に興味をもっていただけたら幸いです。
そんなこんな
【作曲】金管四重奏を作ろう
どうもこんばんわ。
曲を新しく作るにあたり、リアルタイムに状況をブログに書いてみようかなーと思い立ち書いてみます。
正直曲を作る時には当初の方針とかそういうのはあって無いようなもので、すぐにコロコロ変わります!(ほんとはイカンのだが、未熟なので…)
そんなわけで続くかわかりませんが、頑張って書いてみようかなってところです。(続かなかったらゴメンちょ)
背景
現在作曲をはじめて色んな形式だったり構成たったりの曲を作っており、
先日木管四重奏の曲を作ったので、今度は金管にチャレンジしてみよう!との流れから金管四重奏になりました。
なぜ四重奏かというと、1楽器=1役割とする事で勉強学習しやすくするためです。
テーマ
さて今回の曲のテーマです。
どうしようかな~と悩んでいます。
今までは季節ものとか、自然ネタが多かったので今回はちょっと違ったものにしようかと。
-以下妄想-
金管かー。。金…。。カネ。
ちょっとお金持ち風な感じで…書斎とか持ってるような…
昔から代々続く屋敷的な…
--妄想終わり--
はい!テーマ決めました。
テーマは「屋敷」です。
こんな感じにいつもテキトーな連想ゲームでテーマを決めていますw
主題
さてテーマが決まったら主題です。
主題は正直思い浮かぶしかないのでその時を待ちます。
~~(1か月くらい経過)~~
はい、テーマ決めました。
重い感じを出したいため、テンポをちょっとのっしり(≠どっしり)とした感じで、低音は1つ1つしっかり吹く感じにしてみました。
ちなみに僕はコード進行で曲を考えるのが苦手なので、基本的にメロ先行+対位法で音をつけています。
もしくはメロディとベースを決めて、内声を後から肉付けする事が多いですね。
で、このモチーフをベースとしてちょっとづつ展開させていこうかなと思います。
まずは1つの楽節まで流れに任せて書いてみました。
木管と違ってトロンボーンやチューバを使うのであまりコロコロと音が変わるようなフレーズは使う事ができないので、トランペットとホルンが動いて、トロンボーンとチューバが支える感じになりそうです。
さて、ここで一区切りですが、この後の展開を考えます。
もう一度主題を繰り返して印象付けても良いのですが、割と重いイメージの曲なので聴き手は飽きてしまうかな?と思い、ここで転調してみる事にしました。
転調先は平行調のAs dur (=A♭メジャー、変ロ長調)。
平行調に行くと何が良いかと言うと、使う音セットは変わらないので大きなインパクトは与えないものの、ふっと明るくなるような、気持ちが高揚するような効果があります。
で、早速続きを。基本的に音形やリズムは引き継ぐため、割とサクっと作る事ができました。
若干一部のスタッカートを外してのびやかな旋律となるように工夫し、先ほどの重苦しい印象を払拭しようとしています。(うまくいってるかは不明)
そして、あくまで展開なので長くなりすぎないようサクっと終わらせてみました。
ちなみに最後の4小節は最初の主題と同じカデンツ(終止形)をそのまま流用する事で、元の調へ戻っております。
平行調はこうした元の調に戻るのもあっさりと実現できるので便利ですね。
と、今日は一区切りできたのでここまで。
続きはまた今度書きまーす!(たぶんw